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Claris FileMaker で セマンティック検索を使う方法

Claris FileMaker でカスタム App を構築したり、データ管理している方であれば、特定の単語を入力する従来のキーワード検索はよくご存知でしょう。

セマンティック検索(自然言語検索)が利用可能になった Claris FileMaker 2024 (バージョン 21 )では、よりスマートで直感的な方法で情報を検索できるようになりました。この AI を活用した新機能は、ユーザが適切なキーワードを知らない場合でも必要な情報を見つけることができる新しい検索の体験を提供します。

なぜセマンティック検索が重要なのか、FileMaker 2024 で使えるようにするにはどうしたら良いのか、見ていきましょう。

目次:

  1. セマンティック検索とは?
  2. セマンティック検索は開発者にとって重要なのか?
  3. より深い洞察を得るための 検索拡張生成(RAG)技術
  4. FileMaker 2024 でセマンティック検索を有効にする方法
  5. セマンティック検索をマスターするためのリソース

1. セマンティック検索とは?

従来の FileMaker での 検索モードは、完全一致のキーワードでなければ、関連する検索結果を得ることはできません。

一方、セマンティック検索では、検索の背後にある意味と意図を理解した検索によって、より正確で文脈を意識した結果が返ってくるので、より効率的に求めるデータを得られます。

Claris FileMaker 2024 では、セマンティック検索は AI 主導の自然言語処理を使用してデータを文脈で分析し、より関連性の高い結果を提供します。

たとえば、「最も成果を上げた販売報告書」を検索すると、セマンティック検索では、その正確な単語を含むドキュメントを検索するだけではありません。意図を理解し、トップセールスサマリーやパフォーマンスレビューなど、意味的に類似したファイルを取得します。

2. セマンティック検索は開発者にとって重要なのか?

膨大な量のデータがシステムに保存されているため、古い情報や重複した情報をふるいにかけるのが難しい場合があります。これにより、データを見つけて作業することが難しくなることがあります。

セマンティック検索は余分なものを排除し、キーワードだけでなく意図や文脈に焦点を当てることで、必要な情報を迅速に見つけることを可能にします。セマンティック検索を活用して、カスタム App にどのような情報検索のための機能を作成できるか、以下をご覧ください。

迅速に洞察力を得る
セマンティック検索は、最も関連性の高い情報に素早くたどり着くのに役立ちます。正確な用語に頼るのではなく、意図を解釈します。

たとえば「製品のアップデートに関する顧客のフィードバック」を検索すると、セマンティック検索では、正確なフレーズが使用されていない場合でも、アップデートについて議論するレビュー、サポートチケット、またはユーザコメントが表示されます。これにより、時間と労力が節約され、より深い洞察がより迅速に提供されます。

簡素化されたユーザエクスペリエンス
複数のスプレッドシートや報告書を選別するのに多くの時間を費やし、正確なファイル名や検索語を思い出そうとすることはありませんか?しかし、セマンティック検索を使えば、正確なキーワードや文書のタイトルを覚えておく必要はなくなります。

たとえば、「四半期ごとの業績の概要」を検索すると、セマンティック検索は、その正確なフレーズを含むファイルのみを返すのではなく、タイトルやキーワードが異なっていても、販売概要、パフォーマンスレビューなどの関連ドキュメントをうまく取得します。これにより、適切な情報をより迅速かつ直感的に見つけることができます。

意思決定の強化
セマンティック検索は、製品データ、運用レポート、プロジェクト追跡など、あらゆる種類のデータで情報に基づいた決定を下すのに役立ちます。

たとえば、誰かが「締め切りを逃した理由」を検索すると、セマンティック検索では、プロジェクトのタイムライン、会議メモ、ステータスレポートからの洞察が表示されます。たとえば、「遅延」、「タスクの延期」、「遅い完了」などの異なる用語が使用された場合でもです。これにより、正確な言い回しを知らなくても、パターンをすばやく識別し、より良い決定を下すことができます。

詳しくは、セッション「セマンティック検索でできること」の録画(英語)をご覧ください。

3. より深い洞察を得るための 検索拡張生成(RAG)技術

データをさらに深く掘り下げるために、RAG(Retriaval-augmented Generation、検索拡張生成)を強化することができます。この手法は、セマンティック検索によるコンテキストを考慮したコンテンツ検索と、大規模言語モデル(LLM)の生成能力を組み合わせたもので、既存のデータに基づいてコンテンツや要約を生成することができます。

たとえば、ユーザが「四半期ごとの業績に関する問題のまとめ」を検索した場合、アプリはさまざまなレポートから関連する詳細を取得し、LLM を活用して簡潔な概要を生成し、ユーザ自身が多数のドキュメントをふるいにかけることなくパターンを特定し、決定を下すのに役立ちます。

4. FileMaker 2024 でセマンティック検索を有効にする方法

Claris FileMakerでセマンティック検索を実装するプロセスは次のとおりです。

(1) Claris FileMaker 2024 にアップグレードする
カスタム App にセマンティック検索を追加するには、新しい AI 機能が必要になるため、最新バージョンの Claris FileMaker を使用していることを確認してください。まだアップグレードしていない場合は、今すぐアップグレードしてください。

(2) AI スクリプトステップを使用する
FileMaker 2024 は、セマンティック検索などの AI 搭載機能のために設計された新しいスクリプトステップを導入しています。これらのスクリプト手順をワークフローに追加して、セマンティック検索を有効にします。

これらの AI スクリプトステップで埋め込みベクトルが生成され、検索エンジンがより文脈を意識した方法でクエリを処理できるようになります。

(3) データの埋め込みベクトルを作成する
AI スクリプトステップを使用すると、データの数学的表現である埋め込みベクトルを作成できます。これらの埋め込みは、キーワードが一致しない場合でも、システムが異なるデータポイント間の関係(類似度)を理解するのに役立ちます。これにより、カスタム App は正確な用語だけでなく、意味や文脈に基づいて結果を取得できます。

(4) クエリをテストして微調整する
セマンティック検索を有効にしたら、「最も成果を上げた販売報告書」などの検索クエリをテストして、検索エンジンがこの意図を解釈し、販売概要、パフォーマンスレビュー、および関連文書を含む結果を返すことができることを確認します。

(5) 文脈理解を活用する
セマンティック検索の最も強力な機能の 1 つは、自然言語のクエリや、異なる概念間の関係(類似度)を理解する能力です。

より良い結果を得るために、自然言語のクエリと概念間の関係(類似度)を使用して、ユーザの意図に焦点を当てるようにワークフローを設計します。これらの手順に従うことで、FileMaker カスタム App 内でセマンティック検索を有効にして、従来のキーワードベースの方法を超える、よりダイナミックで知的な検索体験をユーザに提供できます。

質問や支援が必要な場合は、ぜひ Claris コミュニティ をご活用ください。

5. セマンティック検索をマスターするためのリソース

セマンティック検索をより深く知るためのリソースをご紹介します。

その他の、優れた学習リソースをご紹介します。

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