Q Foundation の創始者である Brian Basinger (ブライアン・ベイシンガー)氏は、COVID-19 パンデミックは、まちがいなく住宅事情に影響を与えることになる、と早い段階で予測していました。
「 あれは 2020 年 2 月 21 日のことです。新型コロナウィルスのためにいずれ街が閉鎖され、何千人もの人々が職を失い、住む場所も失うことになると思いました。」
住宅支援を早急に強化、拡大するため、Q Foundation は Claris FileMaker で アプリを作成したいと考え、カリフォルニア州に拠点を置く Claris パートナーの Beezwax 社 に支援を求めました。
Q Foundation が橋渡し役となり、人々の住まいを支援。
異常なほど高騰しているサンフランシスコの住宅市場。ベイシンガー 氏は、数十年前に HIV や AIDS の患者が賃貸住宅を維持できるよう、 Q Foundation を設立。以来、人々が住居を失わずに済むよう力を尽くしてきました。今ではサンフランシスコで家賃補助を提供する最大規模の非営利団体となり、高齢者、障害者、不安定な生活状態で苦労している家族をサポートしています。2020 年 9 月時点で、Q Foundation は COVID-19 による失業者に対して緊急住宅支援を提供するベイエリアの主要団体となっています。
「賃貸住宅の家賃相場に大規模な価格上昇が起きています。取り残される人々が増えれば私たちの社会は大変なことになります。人々が住まいを維持できなければ、みんなが影響を受けるのです。」と ベイシンガー 氏は言います。
ベイシンガー 氏によると、月々 100 ドルから 200 ドル程度の小額が払えないために、長年住んだアパートを手放さなければならなくなるケースが多いとのことです。 ベイシンガー 氏は「家主と通じ合える人 (landlordwhisperer)」として知られており、住人が家に住み続けられるよう家主と交渉し、双方の橋渡し役となる優れた能力を持っています。
ベイシンガー 氏は豊富な経験によって、COVID-19 パンデミックがもたらす影響を早い段階から認識していたので、広範囲かつ急速に広がる失業の影響を受ける人々を支援するべく、より効率的な方法を早急に見つけようとしていました。
パンデミックによる業務増加に対応し、新しい業務プロセスをアプリ上に構築
2020年の春先にはすでに、強制的な営業停止により、カリフォルニア州に住む大勢の人が仕事を失っていました。サンフランシスコのカストロ地区に住む Q Foundation の利用者 Elvis もそのひとりです。彼は何年も美容師として働いてきましたが、勤務していた美容院の閉店を知り大きな衝撃を受けます。働きたくても、閉店によって生計を立てる術を失ってしまったからです。
「数週間はすっかり落ち込んでいました。自分に残されたのは家だけでしたが、働くことができないため、その家さえも失う危機に直面していました。」
ベイシンガー 氏はこのような状況を予期していたので、住まいを失いかけているサンフランシスコの住人を支援するために即座に行動に移りました。
「この状況下で申請窓口は閉まり、住宅支援を受けたくても列に並ぶこともできません。ですから、私たちはオンラインで受付を開始しました。ただし、何万人もの失業者からの緊急支援の申請が殺到するのは分かっていたので、私たちには技術支援が必要でした。」
そこで、Claris パートナーの Beezwax 社 が、殺到する申請を管理できるアプリとプラットフォーム構築を支援しました。 Beezwax は Claris のローコード開発環境を使用して短期間でアプリを作成し、寄付金、寄付者との連絡内容の管理、家賃用の小切手の作成、連絡先情報と新規利用者の詳細情報の管理を行えるようにしました。
「FileMaker は素晴らしいオープンアーキテクチャを採用しているのでアプリ に API を統合できます。私たちのオンラインプロセスを完全に自動化するアプリ がたった数週間で完成しました。」と ベイシンガー 氏は述べています。
FileMaker のアプリを使用し、より大規模な支援を
ベイシンガー 氏はベイエリア以外にも団体の活動地域を広げたいと考えています。FileMaker で開発したアプリ によって、より多くの人々を支援するのに必要な効率性と拡張性が Q Foundation に備わったと自負しています。
「Q Foundation は緊急住宅支援をオンラインで提供するための、米国の国家標準となるものを構築しています。より多くの人々を支援したいという私たちの望みが、FileMaker によって叶えられます。FileMaker を使えば、アプリを拡張してアメリカ国内の人々のニーズに対応することができます。世界のニーズにも対応できるかもしれません。」
Elvis は Q Foundation からの支援について今でも目に涙を浮かべます。
「まさに奇跡的な出来事でした。Q Foundation の支援で住まいを失わなくて済むと分かった時は、本当にありがたかった。家に住み続けられるようにしてくれたことに感謝してもしきれません。」
寄付による Q Foundation のサポートおよび Q Foundation の今後の活動の詳細については、https://qfoundation.networkforgood.com/ をご参照ください。