もともと COBOL の開発者としてキャリアをスタートさせた岩佐さんは、現在株式会社ライジングサン・システムコンサルティングの代表取締役としてシステム開発、コンサルティングを行っています。なぜ、開発言語を移行したのでしょうか。お話を聞いてみました。
大規模な基幹システム刷新をこれで実現!?
一体どんなシステムなんだろう。
独立する前、私は某企業の社内情報システム部門でメインフレーム+ COBOL の開発者としてキャリアをスタートさせ、国内外含めて6社で経験を積ませていただきました。その中で、 dBaseIII 、VisualBasic 、Delphi 、Java 、Microsoft Access 、 SQLServer 、Oracle 等、業務システム開発で用いられる一般的な開発プラットフォームを経験しました。在籍した会社でも FileMaker は使われていたので存在は知っていたのですが、当時の私は、FileMaker はあくまでも素人が使うものであり、我々のような IT プロフェッショナルが使うようなレベルのものではないと思っていました。このような先入観を持っていた私が変わったきっかけがあります。それは、ある事業部門の基幹システム刷新プロジェクトでした。私がプロジェクトマネージャーを担当し、開発のプロを集めたのですが、失敗に終わってしまったんです。その後、現場の方達が手弁当で FileMaker を使ってシステムをつくり、そのままリリースされました。正直めちゃくちゃ驚きました。開発のプロがつくったものではないので、システムそのものは極めて稚拙なものだったのですが、実際に現場での評価は高く、使いやすいという声も上がっていました。「これは何かあるな」と思い、3日間有給休暇をとって FileMaker を集中的に勉強することにしました。そこでようやく、これはプロが勉強してつくれば、本当にいいものができると確信しました。
私がFileMakerプラットフォームに移行した6つの理由。
現在、私は FileMaker プラットフォームを主軸としたシステム開発内製支援を行う会社を立ち上げました。あれだけ否定派だったのになぜ FileMaker に移行したのかと、質問されることがよくあります。そこには6つの理由がありました。
1. コーディング量が圧倒的に少ない
2. 日本語でプログラミングができる
3. サーバ運用がラク
4. クライアントへの展開がラク
5. iOS への対応が簡単(ワンソース・マルチデバイス)
6. Web サービスとの連携が容易
1 から6の項目をみるだけでも、開発効率が極めて高いことがわかると思います。私の肌感覚ですが、開発工数は Access の半分から 1/3、場合によっては 1/5 で済みます。より短い期間でプロジェクトを完遂できるため自社開発・内製化したい企業にとってはかなりメリットがあるのではないでしょうか。 それぞれの項目について、詳しく知りたい方はブログ記事を書いてあるのでお読みいただければと思います。
プログラミング言語ができなくても
実現したいことがイメージできれば FileMaker で実現できる。
エンジニアになりたいと考える若者が今増えてきています。そのくらいプログラミングも注目される時代となってきました。しかしながら、プログラミングの勉強って本当に覚えることが多すぎて、断念する人も多いのが現実です。エンジニアになりたい動機はさまざまだと思うので一概には言えませんが、形にしたいもののために勉強をしているはずなのに、実現するまでがものすごく遠く感じてしまうのが原因の 1 つかもしれません。
これから先のキャリアとして、社会の課題を解決できる開発者としての道を進みたい人がいるのであれば、 FileMaker を 1 度触ってみて体感して欲しいです。特に、自分の今いる環境で「もっとここのプロセスを効率化できればよくなる」「こんなシステムがあれば課題解決につながるかも」というアイデアが生まれる人は、 FileMaker での開発をお勧めします。まず思い描いた通りに形にしてみて、どんどん改善を繰り返して完成へ導く、そんな柔軟な開発ができるのが FileMaker の特徴なので、相性がいいかもしれません。正直、他人の書いた設計書通りにコーディングするだけなら、 FileMaker で開発する必要はないと思います。スモールスタートで、スピード感を持って大きくしていくことが、みんなが使い続けるシステムをつくる成功の鍵なのではないでしょうか。
*岩佐さんがこの記事のテーマについて FileMaker カンファレンス 2019 で登壇されたセッション「ブログではお伝えしきれなかった、Microsoft Access開発者だった私が FileMaker プラットフォーム に移行した7つの理由 + α」の録画を YouTube でご視聴いただけます。
*写真のみを記事告知目的以外で転用することはご遠慮ください。
お問い合わせ先