Claris プラットフォームの未来〜FileMaker から Claris Connect そしてその先へ

発表当初から FileMaker 製品は、変化の実現、迅速な問題解決、そしてワークプレイス・イノベーションに対する揺るぎないコミットメントを中核として構築されてきました。そのため、FileMaker チームが今度はその熱意を急速な内面の変化に向けていることは不思議ではありません。チームは Claris として、新しいパートナーとチームメンバー、新しいリーダーシップ、そしてワークプレイス・イノベーション・プラットフォームの未来に対する新しいビジョンと共に新しいスタートを切ったのです。

ここで私がご説明したいのは、当社のプラットフォームに対する新しいビジョンについてです。しかし、ご説明する前に、当社の素晴らしいコミュニティの皆さまに、ご愛顧いただいてきた FileMaker が今後も向上し続けるということをお知らせしたいと思います。ご使用されているすべての機能、構築したすべてのアプリケーション、プラットフォームのすべての部分は維持され、向上されます。当社はお客様の力がなければ今のような業界のリーダーになることはできなかったでしょう。また、Claris として今後もプラットフォームをさらに強力にかつよりアクセスしやすくしていきます。 

当社のコミュニティとその利点は今後も拡大し、お客様はその拡大のための不可欠なメンバーとなります。これをどのように皆様と一緒に達成していくかについてご説明します。

デジタルエボリューションからデジタルトランスフォーメーションへ

FileMaker 時代の過去数十年間に起こったのはデジタルエボリューションでした。パッケージソフトウェアからインターネット、クラウド、SaaS、モバイルアプリケーションへと移行し、さまざまな業界が日々の業務で簡単にアクセス可能になった強力なソフトウェアにより大幅に進化しました。

FileMaker コミュニティで構成される当社の強力なエコシステムは、多数の業界をリードするアプリケーションを業種の垣根を越えて構築しました。これにより、あらゆる規模のビジネスが複雑なコーディングスキルを必要とすることなくデジタルエボリューションに加わることができました。 

こんにち、私たちはソフトウェアにとって最もエキサイティングな時代、デジタルトランスフォーメーションの渦中にいます。この時代は、データや AI、オーケストレーションや自動化、クラウドの高度な技術の活用、モバイルや API により動いています。すべては新しいデジタル体験を作り出し、お客様がより良い成果を出せるよう促すためです。このようなデジタルトランスフォーメーションの例は Uber や Airbnb から自動運転車やホームオートメーションまで私たちの身の回りのあらゆるところにあります。これにより教育やヘルスケアの分野でより良い成果が得られています。あらゆるビジネスが変革しようと努力しています。そうしないと崩壊するリスクがあるためです。

その一方で、複雑な新しいテクノロジーを使用したこのような新しい体験を構築するためのスキルセットにおけるギャップはこれまでにないほど大きくなっています。

これは、当社の新しいアイデンティティ「Claris」における FileMaker コミュニティそしてワークプレイス・イノベーション・プラットフォームにとって次の大きな機会を意味します。当社は複雑なことをシンプルに変え、それぞれの職場の独自の問題を解決し、一歩ずつ新しいテクノロジーを採り入れていきます。

また、この時代は「問題解決者」になるには最もエキサイティングな時代といえます。問題解決者とは日常の仕事の問題解決に自ら取り組む人たちで、新しいデジタル体験を考え、クラウドとオンプレミスのサービスをオーケストレーションしたワークフローで構成される現代のアプリケーションを構築します。最高の問題解決者は、業界を変革する準備があり、破壊的ビジネスモデルとこのようなテクノロジーを組み合わせて顧客のためにより良い成果が得られるようにします。 

Claris が提供するプラットフォームは 4 本の柱に基づいています。

1. クラウドファースト – すべての新しいテクノロジーはクラウド内に組み込まれ、クラウドとオンプレミスの両方を使用するお客様に対するサポートを継続しながら積極的なクラウドへの移行が行われます。

2. ネイティブな Web およびモバイル体験 - 一貫性のあるアプリケーションの作成と使用の体験が可能なネイティブな Web とモバイルの体験を提供します。

3. API の統合とオーケストレーション – クラウドとオンプレミスのサービスについてワークフロー統合のオーケストレーションを行います。

4.最新のテクノロジー – すべての FileMaker サービスを AI のほか AR/VR などの最先端のテクノロジーを使用して強化します。 

Claris Connect

現代のアプリケーション作成における新しい世界では、お客様は各機能をすべて自身で作成する必要はありません。その代わりに、業界標準の API および OAuth を使用して特定の機能を提供する既存のクラウド (またはオンプレミス) のサービスを統合するだけでよいのです。 

当社は何年も前にこのような未来を想定し、FileMaker のように直感的な操作が可能な製品とこのような強力なクラウドサービスという分野を統合して活用することで FileMaker をワークプレイス・イノベーション・プラットフォームとして大幅に向上させ、拡大させられるようなパートナーを探していました。その取り組みの中で、当社のチームは Stamplay 社を知りました。同社はシリコンバレーの有力ベンチャーキャピタル「500 Startups」に認められた1 社で、組織が複数のクラウドサービスやオンプレミスのデータソースをまたいで付加価値の高いビジネスプロセスワークフローのオーケストレーションや自動化を行うソリューションを構築する支援をしています。共同創業者の Giuliano Iacobelli 氏が率いる Stamplay プラットフォームは、人気の高いサードパーティ製クラウド製品に既に 150 以上のコネクタが組み込まれた実績を持ち、ワークフローを大幅に改善し、開発者がビジネスニーズに合わせて最適なサービスを組み合わせることを可能にしていました。

Stamplay 社のテクノロジーの買収、Claris Connect への製品名の変更、Iacobelli 氏のプロジェクトリーダーとしての役割が正式に発表された今、当社は、問題解決者のより大きなコミュニティが複雑化する問題をさらに簡単にかつより多くの機能を使って解決する自由を手に入れる未来を見据えています。

さらに先へ：次世代プラットフォーム

2019 年と 2020 年のさらに先に目を向けると、Claris のミッションは「次世代」プラットフォーム（Claris Next Gen）へと大きく拡大していきます。多くの業界で進んでいる自動化に合わせて、Claris Next Gen は組み込みのオーケストレーションや自動化、機械学習、AI ボットや AR/VR による高度なユーザ体験を伴う現代的なワークフローアプリケーションの能力を十分に活用できるように構築されます。当社の Claris Connect 製品がサードパーティ製クラウドサービスを使用することで高度なアプリケーション開発のハードルを大幅に下げることができるように、Claris Next Genは現代的な AI ベースのアプリケーションをサービスとして提供します。 

力を合わせて達成

当社のコミュニティのすべてのメンバーの目標と同様に、新しい一連の Claris 製品に対して当社は大きな目標を持っています。お客様のような問題解決者の力なしには目標を達成することはできません。これから先の数か月、次のことをお客様と協力して進めていく予定です。

• Claris Connect に慣れる。
• Stamplay チームのおかげで数百のクラウドサービスが容易に利用可能になった。どれでも選んでコネクタをドラッグ & ドロップするだけで構築できる新しいソリューションを試す。
• クラウドファースト戦略のパートナーになる - Claris の FileMaker 製品を使用してクラウドに移行する計画を立てます。
• アジャイル開発に向けた当社の取り組みに参画してもらう - Claris チームは FileMaker および Claris Connect のリリースを頻繁に行います。そのため、お客様の方でも FileMaker のオンプレミス製品に対して同様の対応をしていただきたいと思います。
• 全員で取り組む - これまで常にそうであったように、問題解決者のコミュニティでは、他の問題解決者を引き続きサポートしてほしいと思っています。Marketplace に貢献し、テンプレートを共有し、あなたのスキルや知識を必要とする人に与えてください。

繰り返しになりますが、何年もの間、FileMaker にご協力いただけましたことを皆様に感謝いたします。これから Claris としての新しい段階に入りますが、このコミュニティの人々は当社の先駆者たちでありベテランであると言えます。当社のワークプレイス・イノベーション・プラットフォームを問題解決者の新しい世界へと展開する準備ができています。もちろんこれからも力を合わせて問題解決を行ってまいりますが、「ソフトウェアに夢を求める」ことで新しい経験を作り出し、業界全体に破壊的なインパクトを与えるという、これから先にある当社の目標を拡大していきます。