世界中で新型コロナウイルスの感染が拡大する中、日本でもついに政府から緊急事態宣言が発表されました。今、ビジネスの世界に大きな変化が訪れています。
在宅勤務や時差出勤、会議のオンライン化、イベントのキャンセルや物流の制限など、これまで通りの働き方が難しくなったり、営業・販売方法や売上計画の変更を余儀なくされたりと、影響は多岐にわたります。
Claris は、このような状況下で働く人々が直面している課題を洗い出し、この状況を乗り越えるためのアイデアを共有できる場を提供することでみなさまのお役に立てるのではないかと考え、アンケート調査を実施しました。
アンケート調査は Claris のコミュニティの方々を対象に 2020 年 4 月 13 日(月)〜 16 日(木)の期間で実施、みなさまのご協力のおかげで、827 という多くの回答をいただきました。
厳しい環境の中、また普段以上にお忙しい中、たくさんのご回答、アイデアをお寄せいただきましたことに心より感謝申し上げます。
調査結果は、前編「働く環境の変化の実情」と後編「変化に対して工夫していること」の 2 回に分けてご紹介します。
前編では、新型コロナウイルス感染症対策により生まれた働く環境の変化について紹介をしました。業界や職種によって変化は様々でしたが、それぞれ変化によって課題を抱えていることが明らかになりました。
後編となる本記事では「変化に対して工夫していること」について、下記の 4つの視点からみなさんが工夫している対応策をご紹介します。
- Claris FileMaker の役立つ使い方
- 実際に使ってみて便利だったアプリやツール
- 快適に働くコツや Tips
- 外出自粛の際に快適に過ごす工夫
1. Claris FileMaker の役立つ使い方
Q. Claris FileMaker のご自身の使い方で、この状況で役に立つと思う使い方はありますか?
- ある 約 24 %
- ない 約 76 %
あると回答された方のアイデアの一部をご紹介します。
- 外出先からクラウド環境へのアクセス
- 運用が楽な WebDirect 経由でのデータ提供
- 在庫管理や納品、請求のデータをどこからでもアクセス
- 勤怠管理と業務連絡の伝言板
- LINE やDropbox Business などと連携して日報報告や進捗情報、仕事内容を情報共有
- コロナウイルス疑い患者とそのフォローのツール(医療関係者)
- 小テストの実施と回答(教育関係者)
- 介護施設で手すりやエレベーター等、場所毎に拭いた時間・換気の時間を記録できる Appで運用(介護事業者)
(筆者レビュー)VPN によるオンプレミスサーバへのリモート接続、FileMakerCloud、iOS から接続できる FileMaker Go 、Android 端末からもアクセスできる WebDirect の活用など、遠隔でも情報共有できる、という Claris FileMaker プラットフォームの強みを生かして、これまで以上に Claris FileMaker を活用しているという声が挙がりました。
また、業務日報、案件進捗管理、勤怠管理、決裁業務といった事例も寄せられました。在宅勤務での情報共有が必須となった状況において、Claris FileMaker の新しい活用方法で働き方を変えるきっかけになった方も多いのではないでしょうか。
2. 実際に使ってみて便利だったアプリやツール
Q.現在の状況で、実際に使って便利だった、またはあったらいいなと思うアプリやツールはありますか?
具体的な回答の一部をご紹介します。
● FileMaker 以外に 実際に使って便利だったアプリやツール
- Zoom / GoToMeeting / WebEx (Web会議)
- Microsoft Teams(情報共有)
- LINE / Chatwork / Teams(チャット)
- Dropbox / Box(ファイル)
- Google Suite / Office365 / Quip
- TeamViewer (画面共有)
- Adobe Creative Cloud の製品群
- Jooto (プロジェクト管理)
● あったらいいなと思うアプリやツール
- コロナウイルスに感染したかもしれない場合の問診アプリ
- 感染者の行動履歴を確認できるアプリ
- 社内承認の手続きを在宅でできるツールがあると良い
- 擬似的に閉鎖ネットワークをインターネット上に構築することができるツール
- 情報系に明るくない人々にリモートワークに必要な準備等の全てを易しく教えてくれるツール
(筆者レビュー)使ってみて便利だったアプリやツールでは、オンライン会議の急増に伴い、多くの方が Skype、Google ハングアウト、GoToMeeting などの Web 会議系アプリを挙げ、中でも Zoom を使っているという回答が群を抜いていました。誰でも簡単に使えるという点が評価されているのでしょうか。
その他、LINE、Teams、Chatwork といったチャット系アプリ、Dropbox、Box、Quip といったドキュメント共有系サービス、TeamViewer などのリモートデスクトップにアクセスするソリューションなども多く挙げられました。
目的ごとにアプリやツールを使い分けることで、オンラインでのコミュニケーションストレスを軽減につなげているようです。
3. 快適に働くコツや Tips
Q. 在宅勤務やホームオフィスで働いている方に質問です。在宅で快適に働くためのコツや他の方におすすめしたい Tips があれば教えてください。
あると回答された方のアイデアの一部をご紹介します。
- タイムスケジュールを知らせてくれるアプリを使う
- 在宅時でも、オフィスへ出社する時間に合わせて起床
- こもりきらず、時々外の空気を吸い、軽く運動する
- タイマーで休憩や昼休みを出勤時と同じ感覚でとるように心がける
- 家であっても仕事で着用する服を着る(普段どおりの出勤する生活リズムを維持)
- 手元で不足の資料があれば執着しないで次の手を考える
- 数名でつながって雑談の時間をとること
- テレワークだからできることを積極的にする(オフィスでは落ち着いてできない調べごと勉強など)
- 単調になりがちなので、数種類のお茶を用意して気分転換を図っている
- NHKのみんなの体操を録画して、午前2回、午後2回行い身体をほぐす
- 40分程度の散歩を1日1回おこない、運動不足を解消する
- 始業時、終業時のスタッフ全員でのビデオミーティング。顔をみて話すのはモチベーションに影響します。無駄な残業を減らすためにも終業時にこそ必要
(筆者レビュー)働く環境が一変したため、いつものように仕事が進められずストレスを感じやすくなりがちです。
無理に、これまでと同じようにしないといけないというルールを決めずに、自分にあったオンオフの切り替え方を見つけること。そして、精神的なストレスを軽減する工夫をすることが、在宅で快適に仕事をするコツなのかもしれません。
また、同じオフィスで仕事をするのが日常だった人にとって、在宅勤務は孤独を感じやすい環境です。これまでのように雑談をしたり、オンライン上でも顔をあわせるなど、コミュニケーションをとる工夫をしている声も多く挙がりました。
4. 外出自粛の際に快適に過ごす工夫
Q.外出自粛の際に自宅で快適に過ごすためのアイデアがあれば教えてください。
あると回答された方のアイデアの一部をご紹介します。
- 家の庭仕事に精を出す。花苗を買ってきて、育てる
- 必要以上にニュースや SNS を見ない
- 庭でバーベキュー
- 座禅を組む
- 規則正しい食事(インスタント物ではなく少し凝ったメニュー)
- 猫の世話などペットとのふれあい
- Amazon Prime や You Tube を利用したホームシアターで映画やライブ体験
- 新しい技術の獲得
- 妻に家事の仕方を教えてもらう
- デジタルに使う時間を減らして、あえてアナログなことをやってみる。自筆で手紙を書く、楽器を弾く、料理をする、裁縫をする、掃除をするなど
- 決まった時間にコーヒーを淹れる
- 今の内に、勉強をする。貯まった本を読む
- 買っても聞いていなかった CD や LP を聞いたり、映画のソフトを鑑賞している
- 世界のオペラハウスなどが出している無料のストリーミングなどを堪能しています
- 10 時、15 時にお茶の時間をとって楽しい会話をする
- 夜のバーチャル宴会。スカイプなどで友人と短時間の飲み会
- 普段出来ない部屋の整理やレイアウトの変更、撮りためた写真・ビデオの整理、情報整理
(筆者レビュー)仕事の時間以外でも、精神的にストレスを感じないように工夫しているアイデアが多くありました。外出自粛を良いきっかけと捉え、これまで挑戦したかったことに挑戦する方がも増えたのではないでしょうか。
新型コロナウイルス感染症の収束は、長期戦になるとも言われています。ビジネスや働き方にも大きな変化が訪れ、先の見えない不安を感じることが多いかもしれません。
しかし、このような事態だからこそ、アイデアを共有し、これまで以上にコミュニケーションを図って助け合うことが、何よりも大切になるのではないでしょうか。
この異例の事態は、私たちに多くの気づきを与えてくれます。これまでの仕事のやり方を見つめ直し、働き方やビジネスの進め方を変革するきっかけになるのではないでしょうか。
Claris コミュニティの中に、新型コロナウイルスの感染拡大の影響による働き方の変化、働き方の工夫や、在宅勤務で役立つ FileMaker の使い方など、アイデアをどなたでも自由に投稿いただけるグループ「COVID19情報交換」をご用意しました。ぜひ情報共有にご活用ください。https://bit.ly/claris20200422