出産前後で仕事を変えずに働き方を変えることで、子育てと仕事の両立を実現している株式会社スプラッシュの与座さつきさん。どのような工夫をしているかお話を聞いてみました。
少しの余白を意識して、メリハリをつけた働き方に変えていく。
私の主な仕事は、FileMaker を使ったシステム開発やお客様のサポートです。また、海外の優れた FileMaker 向けアドオン、プラグインなどの日本語ローカライズや、販売などの業務も担当しています。
出産前も同じ仕事をしていましたが、とにかく仕事が楽しくて、時間が経つのを忘れて仕事に没頭する、というのが私のスタイルでした。
子どもを授かった時、仕事を辞めるという選択肢は私にはありませんでした。陣痛が始まってもギリギリまでリモートで仕事をしていて、「15 分間隔になってきたので、今から産休入ります!」と連絡をとっていたのを今でも覚えています。そのくらい仕事が楽しくて仕方ありませんでした。
出産後、仕事内容も変わらず、すぐに復帰できる環境があったのは本当にありがたいなと思います。
ラッキーなことに 0歳から子どもを保育園に預けることができたので、またバリバリ働こう!と仕事に復帰しましたが、そう簡単にはいかないということを痛感する日々でした。
お迎えの時間があるので、いつまでも仕事をすることはできません。小さいうちは保育園から頻繁に呼び出しがあり、熱が出たら出社することもできません。
今までと同じように働くことはできないし、このままでは体力的にも精神的にも持たないなと感じ、働き方を変える努力をすることにしました。
子どもが待っているというのはすごく大きな矯正力なんですよね。自分でも驚きますが、区切りをつけるのが苦手だった私が、子どものためとなると自然とシフトできました。
自分にとって、そして子どもや職場にとって、良い働き方とは何だろう?と考えると、全てを完璧にこなそうとしないことではないかと思います。
スケジュールは余裕を持って組むようにする。できない時は仲間に頼って助けてもらい、逆に自分ができる時は精一杯仲間を助ける。
子育てを経験することで、完璧に 1 人でこなすことだけが良い働き方ではないと気づくことができました。
楽しいことも大変なことも。なんでも話をして、理解しあえる親子関係をめざす。
仕事を一生懸命しながら、子どもと過ごす時間をできるだけつくり、家事をこなす。全てを完璧にするのは難しいので、ある部分では諦めが必要です。
私は仕事以外の時間は子どもとコミュニケーションをとる時間を重視したいので、家事は手を抜く時があっても良いと思っています。
常に完璧をめざそうとすると長続きしないので、例えば時短ができる家電に頼るなどして、仕事と同様、家事もメリハリをつけるようにしています。
子どもには、お母さんが働くということを理解してもらい、応援してもらいたいと思っています。だからこそ、大変なことも楽しいことも、仕事に関することをできるだけ子どもに話すようにしています。
小さい頃から私の仕事の話をしていることもあり、子どもは iPad もパソコンも大好きで、上手に使っていますし、いろいろな話をしてくれます。FileMaker にも興味津々です。
自由研究で、Raspberry Pi(ラズベリーパイ)を使った電子工作を一緒にしたこともあります。私の仕事に関わることに興味を持ってもくれることはとても嬉しいですし、もっと頑張ろうと思えます。
子どもが応援してくれているのがわかるからこそ、心から楽しいと思えるこの仕事を続けて、開発者としてももっと成長したいなと思います。
出産後は、子育てと仕事を両立させることに集中していたので、なかなか勉強の時間が取れませんでしたが、これからは積極的に最新技術の勉強をして、技術力を上げていきたいです。
FileMaker は次々に新しい機能が追加されたり、使える技術が増えていくのですが、考え方の基礎は変わりません。それに、とりあえず手を動かしてやってみて覚えていくことができるので、一度現役を離れた開発者でも復帰しやすいと思います。
大変だと感じることもありますが、やっぱりやればやるほど楽しい。
そんな気持ちも子どもに伝えながら、いい親子関係を一緒に築いていけるといいなと思います。
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