事例

コロナ禍でも働きやすい環境へと変化

コロナ禍において、多くの企業がその働き方に課題を抱えています。働き方改革の事例はいくつものサイトで紹介されていますが、その多くは大企業での大きな IT 投資を伴うものです。
このような中で従業員 30 名以下でも、業務の自動化を実現することで、コロナ禍でも働きやすい環境を整えた組織があります。コーディングなしで様々なサービスを連携・統合できる Claris Connect を使い始めたきっかけや、その活用方法、今後の展望などについて株式会社イエスウィキャンの増冨由到さんと金子愛美さんにお話をうかがいました。

業務の自動化が変える、コロナ禍での働き方

Claris FileMaker プラットフォームを活用して、お客様企業の業務内容に沿ったシステム開発や、汎用性の高いパッケージシステムの開発、販売を手掛ける株式会社イエスウィキャン(以下 YWC )。 Claris 社 からも日々の活動が評価され、パートナーとして最上位である Claris Platinum パートナーの認定を受けています。

2020 年 3 月以降、コロナ禍において YWC でも在宅勤務へと切り替わり、働き方が変化していく中で、よりよい働き方や業務効率を上げるために日々さまざまな施策に取り組んでいるそうです。その中でも、Claris Connect を活用した効率化が、効果を上げているとのこと。Claris Connect は、様々なアプリケーションを連携することで、ワークフローの自動化を実現するアプリケーションです。ビジネスプロセスの効率化に取り組み、 DX (デジタルトランスフォーメーション)を実現する企業に積極的に採用されています。(Claris Connect の詳しい機能についてはこちら→ https://www.claris.com/ja/blog/2020/your-first-claris-connect

「 2020 年にリリースされた Claris Connect に関しては当初から気になっていました。私たちは FileMaker をメインにシステム開発をおこなっているので、どのように活用すれば、より効率的に業務や運用に活かしていけるか気になり、発売当初から早速、評価版を使い始めました。」(増冨さん)

社内で活用方法を検証している間に、コロナ禍に見舞われます。多くの企業と同様、 YWC でも在宅勤務を中心とした働き方になりました。オフィスに行って仕事をすることが減り、新たな課題として表面化したのが、郵便物や FAX の確認業務でした。

「当初は、唯一出社していた社長に FAX などの書類の確認や、事務処理をお願いし、スタッフに共有してもらっていたのですが、さすがに社長に事務作業のお願いを続けるわけにはいかないと思っていました。まずは、FAX の確認業務をなんとか自動化できないかと考え、あるツールの導入を検討しましたが、最終的に FileMaker にデータを落とし込むには、システムの連携のためにある程度の時間をかけた開発が必要になることがわかりました。そこで使い始めたのが、これまで検証していた Claris Connect でした。」(増冨さん)

Claris Connect が生みだす お客様と向き合う時間。

Claris Connect を社内システムとして導入後、 YWC では、外部から FAX を受信すると、データとして社内のストレージに保存、その後 Claris Connect の自動フローで FAX 受信通知をメールやチャットでスタッフに通知するという機能を実装しています。

「正直にお話すると、Claris Connect を活用せずとも、 FAX と FileMaker の間をつなぐようなシステムを個別開発すれば、今導入しているフローは実現できます。ただ、そこに時間と労力をかけるのは、コストパフォーマンスがよくないという考えがありました。実際に連携するためのシステムを個別開発すると、コードを書き、動作確認のテストも実施しないといけないため、開発者に API の知識があり、スムーズに進んだとしても、 数時間はかかる業務です。 一方、Claris Connect を活用したフロー設計の作業時間は、約 20 分でした。浮いた時間は、お客様対応や、よりよいシステム開発に使うことができるので、この判断は正解でした。」(増冨さん)

FAX の確認作業が自動化されたことで、社長にわざわざ出社して確認してもらう必要もなくなり、さらに副次的な効果も生まれたようです。

「 FAX の受信確認がリアルタイムで通知されるようになったため、その後のアクションやレスポンスのスピードが上がりましたね。もともと FAX の利用は少なかったのですが、確認漏れの可能性もより減ったように思います。」(増冨さん)

FAX のデータを社内のデータ格納場所に保存、その後メールにて通知されるようなワークフローを構築。

ウェブ完結型のクラウド契約 「クラウドサイン」で契約管理

さらに YWC では、契約関係の業務でも Claris Connect を利用しています。
「当社では、お客様企業との契約には、デジタル上で締結できるサービス、『クラウドサイン』を利用しています。契約書の情報管理そのものは、FileMaker で管理していますので、お客様企業側で契約書の承諾が得られて、クラウドサイン経由で契約締結した際に、Claris Connect を利用することで、 FileMaker 内の契約管理情報が自動で更新されるフローを仕組みになっています。」(金子さん)

クラウドサインを利用した契約締結業務は、 Claris Connect のワークフローによってさらに効率化が進んだと金子さんは続けます。

「もともと契約書の書類をプリントアウトして、郵送の手間と時間がかかっていたものが、クラウド上で完結でき、よりスピーディーになりました。さらに、Claris Connect を活用することで、スタッフが毎回手作業で契約情報の登録や、書類の保存という一連の流れを自動化したため、効率よく契約業務を進めることができるようになりました。」

連携しているワークフローがわかりやすい UI

Claris Connect の魅力は使いやすさ。

当初は、使い方やその効果を検証しながら Claris Connect の運用を始めた YWC のみなさんですが、今ではその使い心地や、魅力を実感しているようです。
「アップデートにより、操作感もどんどん良くなっていますし、なにより FileMaker と同じように直感的に操作できるというのがいいですね。最も重要となるのは、アプリやシステム間をつなぐ際のフロー設定ですが、他のアプリやソフトよりもわかりやすく、あまりシステム開発に詳しくない方でも活用しやすいのではないでしょうか。」(増冨さん)

「やはり操作感がわかりやすい。アイコンを選択していくだけで、実現したいワークフローを作り上げていくので、使いやすい UI だと思います。さらに、対応しているアプリも多くあるのが魅力です。 Dropbox や Chatwork などはどの企業にも欠かせないメジャーなアプリだと思います。」(金子さん)

「個々の業務をつなげて、自動化させるのが Claris Connect の活用法なので、特定の業種や業界、業務に縛られないのもいいかもしれませんね。これまでは、手作業でおこなっていた業務や、時間がかかっていた業務も、事前にフローを設定するだけで、あとは自動的におこなってくれるので、汎用性が高いと思います。これまで連結させるときは、全体の大きな流れから把握していないと、設計できないことが多かったのですが、 Claris Connect を使うと局地的にも自動化ができるので、煩雑な作業を簡易化できるというのがいいですよね。ハードルが低く手軽に使えます。」(増冨さん)

社内で培ったノウハウとベストプラクティスをより多くの人へ。

これからの展望について増冨さんは次のように語ります。
「今後は、より Claris Connect の活用を進めて、実際の事例や使用感など生の声を交えて、お客様に紹介していきたいですね。社内でも営業部門では勉強会を実施しています。お客様の業務にどのように活用できるか、より多くの方にその魅力を知っていただくにはどのような形が最適か、日々研究しています。
同時に、社外に向けても Claris Connect の紹介や、実際の活用法などを伝えていく Web セミナーに力を入れていきたいです。いままで実施していた対面式のリアルなセミナーと異なり、画面を通してどのように視聴者の方にその良さを伝えていくかなど、まだまだ改善していく余地は残っていますが、積極的にお客様に発信して、業務改善や、新しいビジネスの創出のお手伝いができればと考えています。」

(編集後記)

コロナ禍という特殊な状況とはいえ、社長が社員のために FAX の仕分けをしていたとは驚きました。でも、そんな社長の勤勉な姿勢や絶え間ない努力を、社員の持つソフトスキルと新しいテクノロジーで変えてしまう組織のパワー。

株式会社イエスウィキャンのホームページでビジョンにかかれていたメッセージは、
〜ビジネスの現場で、「今すぐ必要」であり、「今日から使える」テクノロジー/システム/ソフトを提案し、その構築をサポートするということ 〜 とあります。

新しくリリースされた Claris Connect をいち早く活用することで、コロナ禍でも働きやすい環境や、在宅勤務中でも業務効率の向上を実現してきた株式会社イエスウィキャン。社員が学び続け、社員がもっているソフトパワーを新しいテクノロジーとともに解き放ち、それをお客様の課題や成果を達成するために発揮させる人材を育てられている “Yes We Can !” の成長に今後も期待しています。