働き方改革の一環として、業務改善や効率化のためにシステムを導入する企業が増えています。しかし、システムを使うこと自体がかえって負担になってしまっている残念なケースもあります。導入後にそのような状況にならないように、お客様にデモを繰り返し見せながらシステム開発を進めているという、株式会社バルーンヘルプ システム開発部の佐藤さんにお話を聞いてみました。
システムを実際に使う人の声を聞くことが、何よりも重要なプロセス。
私は、現在システム開発部でお客様の業務改善をするために FileMaker 開発を行っています。開発する際に一番大事にしていることは、システムを使うお客様先の現場の声を聞くことです。
ただ話を聞きにいくだけではなく、デモシステムをつくって現場で実際に触ってもらい、意見をもとにまた改善をするという方法で開発を行っています。 FileMaker は他のシステムとは違い、複雑なコードを書くわけではないので、その場でレイアウト変更や仕様の変更も可能です。そのため、1 人でパソコンと向き合ってつくり込むというよりは、お客様とコミュニケーションをとる中で生まれたアイデアをその場で一緒に形にしていくような開発ができます。だからこそ、開発側の独りよがりなシステムではなく、お客様に喜ばれ、本当に現場が求めているシステムがつくれるのだと思います。
1 つのシステムが完成するまでの8割はお客様と会ってお話を聞く時間で、残りの 2 割で集中して開発をするという進め方をしています。なぜ、ここまでするのかというと、一重にこの 8 割のプロセスがないと現場で本当に使えるシステムができないからです。ある製造業のお客様のシステムを開発するプロジェクトを担当した経験がそのことに気づかせてくれました。
コミュニケーションを重ねることで、本質的なシステムと信頼を構築していける。
そのお客様は、全国の営業所にいる社員が工場に生産のオーダーをするシステムに課題を感じていました。新しくシステム構築をするにあたり、業務フローを理解するためにまず現場へ足を運びました。本社の方ではなく営業の方にヒアリングして、今の仕事の方法についてお話を伺いました。すると、工場にオーダーする 1 つのフローをとっても、社員の数だけ仕事の進め方があり、いくつものパターンがあることがわかりました。その時に、新しいシステムを導入するということは、新しい仕事の進め方を受け入れてもらうことなんだと気付いたんです。もちろん、新しい仕事の進め方に抵抗を感じる方はいらっしゃいます。その方々の意見を無視してつくってしまうと、結局は使われずに終わってしまいます。それでは、課題解決にはなりません。全員が使えるシステムを開発するために、とにかく全国の営業所へ足を運び、コミュニケーションをとることに時間をかけました。
システム開発はお客様と二人三脚で進めていくので、必然的にお客様との信頼関係の構築にも繋がっていきます。つくっている人の顔や考えが見えると安心感も生まれ、システムには直接関係ない仕事の悩み事など何気ない会話も生まれます。その会話の中には次の課題や、新たなアイデアが隠れたりしているので、そこも丁寧に拾い上げ、また次の課題解決のお手伝いをできるようにしたいですね。開発者でありながら、お客様の業務内容の一番の理解者であり、問題解決者であり続けることが、現場で永続的に使われるシステム構築につながっていると思います。
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