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Claris Connect から始まる DX への道のり 『イベントレポート』

Claris の年次カンファレンスが始まって以来、初めてのオンライン開催となった 2020 年の Claris Engage(旧:FileMaker カンファレンス)。今回のテーマであった『 DX (デジタルトランスフォーメーション)』に関する様々なセッションが開催され、現在はオンデマンドで様々なセッションをご視聴いただけるようになっています。

その中でも、Clairs Connect が持つ可能性を感じさせるセッション「つなげて拡げる自動化の世界 ~ Claris Connect でできる事 ~」は、まさに DX の導入や推進に力を入れている企業にとっては大いに活用できるものでした。

このブログでは、「つなげて拡げる自動化の世界 ~ Claris Connect でできる事 ~」についてレポートします。

普及するクラウドサービスと API 連携

先の読めないこの時代、ビジネスの世界においても変化に対応するべく、 IT を活用したビジネスモデルの見直しが求められています。そして、デジタル化による変革である DX (デジタルトランスフォーメーション)が各業界から注目されていることについて、小林さんはこう語ります。

「 DX を実現しようと、現在、多くの企業がクラウドサービスの利用を進めています。総務省のデータによると、年々導入している企業が増えており、 2019 年には日本の 60 %以上の企業がクラウドを活用しています。さらに、その 8 割近くが活用した効果を実感しています。クラウドサービスを利用するメリットには、導入スピードの速さや初期導入コストを抑えられるという点のほかに APIを利用したWeb サービス連携が挙げられます。」

API により、現在企業で使われている既存の多くの Web サービス、アプリケーションと連携することができるようになり、これまでの業務のデジタル化や効率化を図ることが可能になってきています。

API 連携によるシステムサービスの向上

API とは、「 Application Programming Interface 」の略称で、ソフトウェアの機能を共有する仕組みのこと。Web サービスが、アプリ開発者向けに公開している機能を「 Web API 」と呼び、 Web 上に公開されているため、外部から呼び出して利用が可能に。これにより、必要な機能をゼロから開発しなくて済むため、コストを削減することができるようになります。

多くのシステムやサービスとの外部連携を可能とし、負担軽減につながるだけでなく既存システムのサービスレベル向上も可能であることから、API 連携は現在のビジネスシーンで急速に拡大していることがわかりました。多くのクラウドサービスはインターネットを介してサービス連携ができる API を公開しており、オープン API だけでも現在約 23,000 種類が提供されていると言われています。

DX としてを実現するための Claris Connect

セッションでは、Web API による連携には大きく分けて 3 つの開発方法があることを紹介していました。

1 つ目は、プログラム開発による連携。公開された Web API と連携するシステムのインターフェースやプログラムを開発する方法です。プログラムを設計開発しないといけませんが、その分複雑で細かな要件にも対応可能。一方で連携先に変更が発生した場合には再開発が必要となります。

2 つ目、 EAI (Enterprise Application Integration)と呼ばれるデータ連携ツールを利用した連携です。 EAI は異なる複数のアプリケーションやシステムに含まれるデータを抽出し、変換、加工した上で、編集したデータを連携先に渡すシステム。 Web API にも対応しており、プログラム開発を必要とせずすべての設定を画面からできるツールもあります。

3 つ目は、最近注目されている自動化タスクツールを利用した連携。この自動化タスクツールを利用した連携は、あらかじめ用意されている様々な連携コネクタを組み合わせるだけで、簡単にシステム連携を実現。異なるサービス同士を、ネットワーク上で連携します。

特に 3 つ目の自動化タスクツールを利用した連携は、「求められるニーズに素早く対応することができ、かつこれまでのシステムを再構築することも可能。システム間の連携を図ることができる企業の DX として位置づけられています。」と小林さんは語っていました。

この連携を実現できるツールの代表的なシステムが、 Claris Connect です。

では、 Claris Connect で、具体的にどんなことが実現できるのでしょうか。

各 Web サービスやアプリとの連携が容易な Claris Connect (自動化タスクツール)

Claris Connect が可能にするシステムの自動連携

Claris Connect は API 連携において、システムを一元管理し、各タスクの実行を指示する司令塔の役割を持ちます。いわばオーケストラの指揮者と同じような役割。この役割について、セッション内で小林さんがわかりやすく説明してくれていました。「指揮者は、演奏者に音の入るタイミングと終わるタイミングを指示しますが、これと同様に Claris Connect も業務を担当するアプリケーションに実行するタイミングを指示。例えば、入力された従業員の情報を他のアプリに連携するとします。従業員情報が Claris Connect にリクエストされると Claris Connect は、該当アプリケーションに(従業員情報を取得するための処理の)実行を指示します。終了するとまた次のアプリケーションに実行指示を出し、その後の作業を指示。一連の業務が完了したところで終了となります。」

Claris Connect は、各種プログラムや実行フローを一元管理

他にもサポートに関する情報や契約情報がリクエストされた場合でも、 Claris Connect が連携しているシステムやアプリケーションのハブとなるため、該当する業務フローの実行が可能。また、業務フローに変更があった場合にもClaris Connect がその変更を吸収。全てのフローのコントロールを一元管理することで、柔軟かつ迅速にビジネスニーズに対応することが可能とのことでした。

現在、提供しているコネクターの数は 70 以上を超えているそう。日本市場向けのコネクタとしては、電子契約サービスのクラウドサイン、ビジネスコミュニケーションツールの Chatwork 、労務管理の SmartHR、そして経路検索の駅すぱあと などが代表的なサービス。今後もユーザーからの要望や、市場の動向に合わせて開発や公開が進められていくようです。

このように 今回のセッションでは、Claris Connect をはじめとするコネクトツールを活用することにより、急激に変化していく業務にも、素早く柔軟な対応が実現できることが理解できました。 DX を実現したい企業は、これまで手作業で行なっていた業務タスクを省略化、自動化することにより、その道のりを一歩進めることができるのでしょう。

このセッションをはじめ、Claris Engage 2020 のセッションは、Claris コミュニティおよび Youtube の Claris 公式チャンネル にてご視聴いただけます。

セッション「つなげて拡げる自動化の世界 ~ Claris Connect でできる事 ~」(Youtube)はこちらからご視聴ください。