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新しいアプリ開発ツールの導入や代替製品を比較、検討する際に見るべきポイントは?

紙や Excel での煩雑な管理業務から脱却すべく、新しいソフトウェア製品や、業務システム、開発ツールを探す場合に何を基準に選択するのがよいのでしょうか。また、長年使っていたソフトウェアのサポート終了に伴い、リプレース先となる代替ソフトウェアや代替アプリケーションを探す場合など、どのような点に気をつければよいのでしょうか。

日本では、テレビ CM、タクシー広告、動画広告等の広告宣伝によって知名度を獲得した製品やサービスが、信頼性の高い製品やサービスであるように思われることがあります。しかし、本当に知名度 = 信頼性と捉えてよいのでしょうか。

成長に向けた経営戦略を策定するうえで、競合他社との差別化・顧客満足度の向上・既存業務の効率化・社員の能力向上等は重要なポイントです。これらにおいてイノベーションを起こすための IT 投資を、広告のイメージだけで決定してしまうのは避けたいところ。IT 投資は、経営戦略の大切なファクターです。そのツール選定や業者選定においては、製品および提供会社をしっかりと調査してその課題点も確認するなど、経営的な視点も入れて調査し意思決定することを推奨します。

以下、アプリケーションやクラウドサービス、開発ツールを比較選定する際に参考にしていただきたい 8 つのポイントをご紹介します。

1. 自社特有の業務に対応できるか

たとえ同じ業種、類似の製品やサービスを提供する会社であっても、業務の進め方、製品や工程などの管理方法、管理項目は会社によってさまざまです。市販のパッケージ製品や、すぐに使い始められるクラウドサービスが自社の業務にぴったり合っている、という方が珍しいでしょう。カスタマイズ性の低いシステムを導入することで、現場の業務オペレーションの方をシステムに合わせなくてはならなくなったとしたら、せっかく新しいシステムを導入したのに逆に業務効率が悪くなり、自社独自の良さが生かせず、競合他社との差別化ポイントが消えてしまう結果にもなりかねません。

新しく導入するソフトウェアや代替ソフトウェアの検討においては、いかに自社の強みを生かした効率的な運営ができるか、その柔軟性、カスタマイズ性を事前に確認しましょう。実際にそのソフトウェアを使用しているユーザの導入事例から、製品やサービスの可能性を探るのも良い方法です。

2. システムの展開方法が自社に合っているか

近年、クラウド市場が急速に拡大し、多くの業務システムやアプリケーションもクラウド上での利用が前提となる SaaS(Software as a Service)として提供されています。クラウドサービスは豊富な選択肢があることや導入の容易さ、運用管理負荷の低減など様々なメリットがあります。

一方で、業務の特性上クラウド環境では展開できない組織も少なくありません。例えば、電力インフラを担う組織では厚いコンクリートで覆われている作業場での業務、地盤調査を担う組織では山岳地帯での業務、また船舶関係の組織では公海上の鉄板に囲まれた船内業務など、オフラインでの利用が必要なケースもあるでしょう。

用途や利用形態によっては、クラウドだけでなくオンプレミスでも展開できるか、オフラインでの利用が可能かどうか、といった製品の展開オプションは検討時の重要なポイントです。オフライン利用を検討されている方のご参考までに、電波の届かない海上で船内の点検業務に iPad をオフライン利用している日本郵船株式会社の事例をご紹介します。

3. 将来的に、環境の変化やビジネスの拡大に合わせて柔軟に対応が可能であること

パッケージソフトウェアについては、導入しやすさはメリットの 1 つですが、それだけで選択すると、将来の拡張に対応できない場合もあります。パッケージ製品や SaaS の場合、自社の業務フローの変更や追加に応じた機能追加が柔軟にできない、またはできたとしても大きな費用が発生することが一般的です。また、自身で業務アプリの作成が可能なノーコード・ローコード開発アプリケーションでは、既存のテンプレートを使うだけなら簡単ですが、他の機能を付け加えようとすると途端に高度な技術が必要になる場合もあります。また、一見ユーザ単位のライセンスコストが低額に思えても、機能追加のためのアドオンを入れることによる追加費用が必要になる製品もあることを知っておくべきでしょう。

どの程度の業務範囲をカバーしたいのか、また将来のシステム拡張の可能性も考慮した上で、例えばセキュリティ認証や API 連携に対応しうる製品を選択する必要があります。その点を考えると、まずは身近な業務から小さく始めて、大きく育てていける拡張性の高いプラットフォームが理想的です。

4. モバイルアプリ開発に対応しているか

近年の DX の流れから、在宅勤務をはじめとしたリモートワークや、直行直帰による労働時間の短縮、業務効率化の推進が新しい課題となるにしたがい、カメラ・GPS・NFC 読み取りなど、デバイス固有の機能を活用したモバイルアプリケーション開発・展開が可能なモバイルアプリ開発プラットフォームを活用する企業が増えています。開発ツールの選定においては、ユーザーインタフェイス(UI)と ユーザーエクスペリエンス(UX)の開発環境が提供され、機能性と使いやすさを追求できるツールであることは大切なポイントとなります。iPhone や iPad は、セキュリティの観点からも高く評価され業務利用にも適しており、iOS/iPadOS のアップデートに合わせてアプリを進化させることができます。このことは特に日本国内において、プラットフォーム選択にあたっての重要な基準の 1 つになります。ただし、 iPhone や iPad など iOS のアップデート時、それに伴うアプリの検証に時間がかかることがあります。アプリ開発を外部に委託される場合、時間がかかる理由がエンジニア不足、という事業者には注意が必要かもしれません。

5. セキュリティ面で安心して使えるか

サイバー攻撃への対応、脆弱性診断など、企業の重要なデータを保護するための機能が備わっているかどうかは、外せないポイントです。データの暗号化やアクセス制御などの機能面だけにとらわれることなく、新規導入もしくはリプレースする製品がセキュリティおよびプライバシー標準に準拠しているかどうかは確認しておきましょう。米国公認会計士協会(AICPA)が定めたサイバーセキュリティのフレームワークの 1 つである SOC2® や、国際標準化機構(ISO)の認定有無は判断基準の 1 つとなります。また、ツールを提供している企業の歴史やファイナンス情報も、有用な選定理由となります。開発体制や運用体制、セキュリティ対策など親会社を含めてチェックすることをお勧めします。

6. 学習のためのトレーニング教材や、気軽に質問できるコミュニティがあるか

特にノーコード・ローコード開発ツールを利用して業務アプリを内製開発する場合、成果を上げるためには開発スキルやノウハウを習得することが大切になります。アプリ開発の途中でつまずくこともあるかもしれません。そんなとき、ソフトウェアの使い方を自分のペースで学べるテキストや動画の教材があると重宝します。また、プロの講師から教わることができるトレーニング、そして気軽に疑問点を質問できるオンラインコミュニティの存在など、ユーザ(開発者)の問題解決、スキル習得をしっかりとサポートする体制やリソースがあることは、システム内製化に取り組む場合にはとても重要な要素です。特にオンラインコミュニティの質問と回答の日時などを見て、回答レスポンスが早いかどうか確認しておきましょう。

7. 開発委託や内製化支援を依頼できるパートナーの層の厚さ

自社の業務やビジネス課題に合わせた独自のアプリケーションが欲しい、でも社内に開発リソースはない。そんな時に頼りになるのが、すぐに相談できる開発パートナーの存在です。外部にアプリ開発を委託する際、近くに頼れるパートナー企業がいるかどうか、もしくはオンラインで支援してくれるパートナーがいるかどうかは、ソフトウェア選定ポイントの 1 つです。

システムを内製化する場合も、二人三脚で支援してくれるパートナー企業がいれば安心です。使用するソフトウェアに即した内製化支援、コンサルティング、トレーニングといったサービスを提供しているパートナー企業の有無を確認しておくとよいでしょう。

8. 提供会社の信用

ペーパーレス化やテレワークの導入、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進などにより、IT 製品の需要が高まっています。しかしソフトウェア関連のスタートアップ企業は多いものの、リリースして10 年以上にわたり進化を遂げているソフトウェアは少ないのが現状です。Windows、macOS、iOS、ブラウザなどは毎年アップデートされています。新しい技術が追加されるのに合わせ、プラットフォームを最新に維持し、セキュリティにも配慮した設計開発を行うことは、資本的にも大きな投資が必要になります。同時に優秀なエンジニアを継続して雇用し、品質を維持しながら新しいテクノロジーへ挑戦するためには、経営者として継続的な収益を計上していく必要があります。コスト削減意識から単価の安い製品を選択しがちですが、まずはサービス提供する会社の信用調査をすることが重要です。その会社の収益構造やエンジニアの数などを調べ、自社の重要なデータをその会社の製品に預けても大丈夫なのかを慎重に考慮する必要があります。

以上、新しいシステムの導入や、代替システム、代替アプリケーション移行時のツール選定において、製品を比較、検討する際の 8 つのポイントをご紹介しました。

独自のビジネス課題を解決し、社員やお客様の満足度が向上するよう、自社にぴったりの製品・サービスを見つけるための参考にしていただければ幸いです。

なお、各社固有の業務に対応できる柔軟性、拡張性を備え、クラウド、オンプレミス、オフラインでの展開が可能で、セキュリティ面でも厳しい国際基準に準拠し、豊富な学習コンテンツコミュニティ開発パートナーを擁し、30 年以上の歴史と実績を持ちながら常に進化を続けているローコード開発プラットフォームをお探しの方は、こちらをご覧ください。